第1回 アソビバン ~居場所の『番人』大集合~

8月1日(木) 12:00 ~ 15:30  
戸田市立笹目東小学校 研修室

「”自分のまま” って?」

地域×学校で 考えてみる一日

 自分のままでいいんだよ 

そんなメッセージに溢れた「夢みる小学校 -完結編-」を視聴し、『自分らしく育つとはどんな事なのか?』・『地域の大人は子どもや学校にどんな眼差しを向けたらいいのか?』、映画で取材された『きのくに子どもの村学園』の卒業生と戸田市の若き居場所運営者をゲストに、子どもをめぐる大人達がゆったりと語り合いました。

 こんな人達が参加しました 

𖤐 保護者&子ども𖤐

𖤐 先生や教育行政の方𖤐

𖤐 地域の子ども支援者の方𖤐

𖤐 子どもの育ちに興味のある方𖤐


司会東 桜子

一般社団法人 こどものポッケ  理事

 元 日野市教育委員会 教育委員

 元 日野市立小中学PTA 協議会 会長

 社会教育士

 ツナギスト 

アソビバンは、司会の桜子さんの笑顔から始まりました。

日野市から、保護者の立場で長く学校と家庭をつないでこられた立場の人として、今回のイベントプロデュースに全面的に協力してくれました。

一日を通して、会場を温かな空気で包んでくれました。



夢みる小学校 ~完結編~ 上映会

 映画の内容 


宿題がない、テストがない、「先生」がいない  きのくに子どもの村学園。


「自分のままでいいんだよ」


そこではどんな子ども達が育っているのか、どんな生きる力をつけているのか。子ども達の姿を追うとともに、学びの場を支える大人たちが語る言葉を聞いていきます。

夢みる小学校は、夢みる大人たちが作っていました。

 視聴のご感想 

アフタートーク会

① 卒業生から見た ”夢みる小学校”

「ホームビデオを見ているみたいでした」
卒業生の颯太さんは、まず初めにそう言いました。

ゲストスピーカー足立 颯太

   南アルプス子どもの村 小・中学校卒業生
 大学3年生


映画に出演したのはだいたい4~5学年下の子ども達で、よく知っている子達の小さかった姿が懐かしく思えるそうです。寮でともに暮らす学園生活なので、より家族のようなつながりになるのかもしれないです


「颯太さんが監督だったら、学園のどこを映したかったですか?」
そう問いかけたモデレーターの大ちゃん。

モデレーター:大野 大輔氏

   (株)先生の幸せ研究所  Consultant

   鎌倉市教育 Advisor

   Radio『ほぼ教育最前線』 Personality

   元公立小学校教諭

   社会教育士

颯太さんは、「学園生活はあの映画が全てではもちろんなくって、たくさんの『失敗』がありました。僕だったら失敗を映したいです。」と自らのパン作り大失敗の話をしてくれました。

その当時の颯太さんを見守る大人たちが、どれだけ子どもに気づかれないようにたくさん準備をしてくれていたかが、大学生になった今だから分かる、とも。

颯太さんの身に起きた出来事として語ってくれたのは、大人たちに守られた環境の中で体験した『失敗』が、いかに深く『学び』となって身についたかというお話しでした。

自分が失敗する友だちが失敗する姿を見る。
『どうやったら上手くいくのか』毎日考える。
そういう暮らしだと、『自分は何をしたいのか?』がだんだん見えてくる。

「だから中学を卒業した後の進路は、みんな本当に色々なんです。と話してくれました。

整った四角い枠に収まるように勉強するんじゃなくて、やりたいことが出来る自分になるために学ぶ
入れる偏差値の高校を選ぶんじゃなく、その高校で何ができるかで学校を選ぶ。

学園を卒業した颯太さんは、そんな意識で普通科の高校に進学したそうです。
『自分や子どもの進学先を考える時に、そんな風に考えただろうか?』と、会場の大人たちは考えさせられたのではないかと思いま


夢みる小学校から未来を ”ちゃんと” 夢みる大人が育っていて、その人から「あなたは?」と問いかけられたような、そんな対談の時間でした。


 対談のご感想 



② 居場所の『番人』の "自分のまま"って?

教育コーディネーターの古内しんごさんが、戸田市で フリースペースもくれん を運営している 渡邊遥夏 さんに、居場所開設の背景とそこで叶えたい想いを聞きました。


「私は、颯太さんとは真逆の生徒でした」

中学では成績を褒められることが勉強のモチベーションだった遥夏さんは、合格した進学校では成績が振るわず落ちこぼれてしまいました。

そして、偏差値重視で向かった大学受験は一浪することに決めたものの、勉強に気持ちが向かわず悶々と暮らしていたそうです。

そんな生活の中で、読書や映画鑑賞をはじまりに自分の好きな事をして過ごすうちに、『偏差値が高い大学じゃなくていい、好きな事が勉強できる大学に行こう』と気持ちが切り替わったと言います。

ゲストスピーカー渡邊 遥夏

1998年生まれ

武蔵野大学通信教育部心理学専攻在学

フリースクールスタッフ、家庭教師、児童養護施設職員を経て、現在は書店員をしながら戸田市内で フリースペースもくれん を開く
「本や映画も好きだし、山や海も好き」


しんごさんが遥夏さんに問いかけます。

「大学受験で燃え尽きてしまう人って一定数いると思うんですが、遥夏さんが本や映画に一歩を踏み出せたのは、何かきっかけがあるんでしょうか?」


モデレーター:古内 しんご 氏

 子育て教育コミュニティ『つみき』 代表

 教育コーディネーター

 小学校教諭

 絵本作者 『先生、ぼくは宇宙人じゃないよ?』

 #まなつむ 発起人 

「高校の時に、すごく楽しそうに授業をする先生がいたんです」
遥夏さんが自分の「好き」を取り戻すきっかけを作ったのは、学校の先生でした。

元々は本を読むことが大好きだった遥夏さんは、受験のために自ら読書を禁じていました。けれどもその先生の国語の授業は楽しくて、そして授業で読んだ哲学者の鷲田清一さんの「ひとはなぜ服を着るのか」にとても惹かれたのだそうです。

受験に失敗しひきこもっている時に、あの先生の授業で感じた『この人の本をもっと読みたい』という気持ちが湧き上がってきて、封印していた読書への気持ちを解放することができました。そこからだんだんと受験勉強に囚われず、自分の「好き」に従って行動できるようになったそうです。

そして大学へ進学してみると、自分ではコソコソとやっていた読書や映画鑑賞が学問として研究の対象にされていることに驚き、何でも好きなことを追求していくことは『学び』なんだと気づきました。

「一度レールを外れたからこそ、『自分のまま』でいられる安心感がどれだけ大切か分かります。
レールを外れているように見えても「それも面白いよね」と側にいてあげられる大人になりたい、そういう場所を作りたいと思います。」
そう、もくれん立ち上げへの想い、叶えたい願いについて語ってくれました。

もくれん @彩湖・道満グリーンパーク(開催場所はInstagramでご確認ください)

自分を見失った時間が今の活動の基盤になっていること、どんな時間や経験も何かのタネになっていくということを教えてもらった気がします。


 対談のご感想 



③ 絵本「先生、ぼくは宇宙人じゃないよ?」

著者のしんごさんによる読み聞かせと、この絵本で伝えたい想いを語っていただきました。

全国の小学校に届けるクラウドファンディングで668名から523万円の支援を集め、1万冊以上を届けました!


幼稚園の先生に「あなたなら大丈夫、かっこいいヒーローになれるよ」と送り出された小学校で、先生に理解されず、何をいっても伝わらない『宇宙人』になってしまった、『ぼく』。

真っ黒になってしまった日常のなか、6年生で『まっすぐなほんものの目』で『ぼく』をみてくれる担任の先生が現れます…

子どもに関わる全ての大人に〝大切なモノ〟を思い出させてくれる絵本でした。

小学校教諭であるしんごさんは、自分のことを作品の中の 『ぼく』を理解してくれない最初の先生 でもあったし、『ほんものの目』を持った最後の先生 でもあ、と言います。
最初の先生は、クラスの子どもたち全体の教育権を考え、悩んでいる先生。小1プロブレムや不登校は、誰か一人の先生のせいにできる事じゃない、と学校の先生の忙しさに触れながら話してくれました。

子どもを一人の人として尊重すること、ちゃんと耳を傾けて話を聞くこと、そういうことは子どものすぐ側にいる人にしか出来ないんです。僕がいくら本を届けても、全国の子どもの側にはいられない。だから、あなたが子ども達のヒーローになってください。

あなたこそが、子ども達のヒーローなんです

『今日はいいお話を聞いたな♪』では終わらない。
大人たちに温かなエールを送り、しっかりバトンを手渡してくれた しんごさん でした。


※ 老いと幼なのいるところ 毎月開催の居場所「いるとこもん-irutoCommom-」では、8月と9月の活動日に『先生、ぼくは宇宙人じゃないよ?』を展示いたします。

 読み聞かせのご感想 



グラログでの ふり返り



グラフィックレコーダーのタノさんが、
アソビバンを約1分半の動画にまとめてくれました!


映画鑑賞・アフタートーク・読み聞かせと、沢山の想いを受け止めて感情が揺れ動く会でした。何を受け止めたのか、何を持ち帰ったらいいのか? 頭の中に色々なものが溢れてしまった人も多いかもしれません。

そんな中、最後に タノさん が3時間半のアソビバンを、なんと1分半の動画にまとめてふり返りをしてくれました!


レコーダー: 田上 誠悟 氏

 グラフィックレコーダー

 公認心理師

 先生の幸せ研究所 パートナーコンサルタント

 (株)きみそら共育研究所

 元小学校教師

第1回 アソビバン~居場所の『番人』大集合~

持ち帰っていただきたかったメッセージは
タノさんのグラログに残されたこの言葉!


どんな社会を創りたいですか?

答えはきっと
くらしとあなた自身のなかに!