当日は公園の「かまどベンチ」を使った地域イベントも開催中で、焚き火の煙が香るなんとも気持ちのよい秋日和でした。ご参加の皆さん、駅からちょっと遠い戸田公園まで、足をのばしてくださってありがとうございました。
2時間の講座は、「しっかり座学」と「どぎまぎワーク」の組み合わせであっという間の1時間半、そして質疑応答となりました。
~ 「子どもの声」は
なぜ聞かれなければならないのでしょう?
意識の高い人が 思いやりから、
可哀想だから 聴いてあげる
ではないのです ~
大人達はこれまでの人生で「自分が子どもであった時にどう聴いてもらえたか」や、「大人になって/親になって、子どもの声をどう聴いてきたか」の積み重ねで、その人なりの「あたりまえ」を形造ってきましたね。
小谷さんの講義は、その「あたりまえ」をグラグラと揺らすものでした。
深い知識に裏付けされた『構造の説明』として。
豊富な経験に基づいた支援者の『体験のシェア』として。
他者の心の動きに寄り添い続けてきた『人としての横顔』も、
その語り口やしぐさとして、見せていただいた気がします。
見慣れない言葉として「概念」の定義が説明される資料は、一見したところ少し難しい印象がありました。
けれども、講師の小谷さんのお話には、『子ども達の今ある困難な状況は、どうしても! 周りの大人がこれを理解しなければ変えられない』という強い気持ちがこもっていて、その思いが会場の大人達の心を打っていたように思いました。
ㅤ
隣り合う2人でペアを作り KATARUTA を使って行ったワークも、とても良い体験でした。
言いたいのに、
うまく言葉が探せない もどかしさ
黙るしかない時間の 居心地の悪さ
分からないからこそ、
僅かな言葉から背景をさがす 想像力
表情や声のトーンをも鑑みる 観察力
そしてタネ明かしの後に味わった、
先入観を持って物事を見る 恐ろしさ
身体を通して、自分の中にしっかりと講義の内容が染み込んだ時間となりました。
ㅤ
講座修了後の自由参加の交流会には、ほとんどの方が残ってくださいました。
保護者、戸田市の公教育に関わる方、元教員、民間の教育団体の方などなど、色々な属性の方々がそれぞれの立場をひとまず横に置き、子ども達がいま置かれている環境や状況について、コーヒーを飲みながらざっくばらんに語り合うひとときは、とても豊かな時間になりました。
ㅤ
最後に、主催者の感想を添えさせてください。
今回の講座はまず始めに「戸田でお話してください」と、講師にお願いしてみました。
それから「会場を使わせて欲しい」と "こどもの居場所ネットワーク" 仲間の県営戸田公園さんに、「いい使い方のアドバイスを」とKATARUTAの開発者の福元さんに、願いを伝えてみました。
それぞれのご事情を調整し合うことで、皆さんに快く協力していただきました。
同じように「託児があれば参加したい」と願いを伝えてくれた人がいて、団体の催事としてはじめて託児を設けました。
託児スタッフは "こどもの居場所ネットワーク" 仲間の団体が派遣してくれました。その派遣料は戸田市社会福祉協議会の助成金と、アソビバン2025への寄付金と、わたし達の団体事業費で賄いました。
要望が届いたからこそ、社会福祉協議会や支援者の皆さまにいただく理解と関わりが深くなったと思います。
今回のイベントで、願いを抱えている人達がいる一方で、社会をより良いものにしたいと、手を広げている人や機関がちゃんとある、と思いました。
動き続けることで、相互理解と信頼関係が深まると思いました。
弱い立場の人たちの、願いについて考えます
考えて、行ってみて、私たちが学び取ったこと
「声を聴き、応えたい人達に つなぐ」
続けていきたい と 思います